vol.85 どんな土地でもいい家は建つ!?

例えば、以下の2つの選択肢があった場合、
あなたはどちらを選ばれますか?

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1つは、親が所有している土地があり、
そこに家を建てれば土地代は必要なくなるが、
土地が狭く、かつ南に隣接して家が建っており、
どう考えても日当たりが悪そう。

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そして、もう1つは、
住みたいと思っている地域で土地を買うという選択肢。
しかし、少なくとも1000万円予算が上がってしまい、
毎月の返済が3万円以上違ってくる。

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さて、あなたなら、
どちらを選ばれるのでしょうか?

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もちろん、この選択はあなたの年齢や収入、
自己資金の加減によって違ってくるものなので、
正解があるものではないのですが、
「わざわざ新たに土地を買う必要はない」
と個人的には考えています。

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たとえ、その土地が
日当たりが悪かったとしても、です。

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例えば、間口は広いものの奥行きが浅い
約35坪の北向きの土地があり、
かつ、すぐ南に隣接して2階建ての家が
建っているとしましょう。

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冬の午後にこの土地を見ると、
この土地は南の建物によって、
敷地の多くが日陰となっています。

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それゆえ、パッと見た瞬間、
全く日が当たらない最悪の土地であると感じ、
検討の土台にすら乗らないかもしれません。

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✔︎家の一番南にリビングを配置しても意味がないという現実


この土地の場合、
リビングを家の一番南に配置しても、
全く意味がないことは
お分かりいただけると思います。

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であれば、そういう配置を
しなければいいだけなのですが、
なぜか、多くの方がその選択だけは絶対にしません。

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そして、日当たりが悪い土地を避け、
日当たりが良い土地を買おうとするのですが、
日当たりが良い土地で、
家の南にリビングを配置したら一体どうなるか
想像してみたことはあるでしょうか?

家の中が丸見えになりますよね?
となると、カーテンが閉まりっ放しの家になり、
家の中が薄暗く、照明なしでは暮らせなくなります。

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また、台風や防犯に備えてシャッターも必要になるし、
プライバシーと防犯を担保するために、
塀や目隠しや植栽などにも多額の費用が必要になります。

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つまり、土地代が余分にかかるだけじゃなく、
家や外構にかかるコストも割高になってしまうため、
3万円どころか下手したら4〜5万円も
毎月の負担が上がってしまうかもしれません。

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それゆえ、別で土地を買っても、
そもそもの設計の考え方を変えない限りは、
ただただ予算だけが上がってしまうだけで
居住性はそれほど変わらないかもしれない
というわけです。

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考えるべきは、この土地をどう活かすか?

 わずか35坪で車を2台停められるように
家を建てようとすれば
そこに建つ家は必然的に2階建てとなるのですが、
となると、明るさや開放感はもちろん、
日々の暮らしのこともよく考えて
設計しなければいけません。

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リビングが散らかりにくくなるには
どうすればいいのか?
洗濯物を干しに行く動線と取り込む動線、
そして、洗濯物をたたむスペースと、
それらを片付ける動線をいかに効率的に出来るか?
といったことですね。

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ということで次回は、
このような狭小地で、
かつ日当たりが悪い土地では、
どのように間取りを考えるべきかについて、
お伝えさせていただきたいと思います。