vol.202 ライフスタイルと間取りづくり?

今や家づくりの定番となっている
ダイニングキッチンとリビングに仕切りをつくらず
キッチンを対面式にするスタイルは、
共働きが当たり前となっている現在のライフスタイルに
フィットした合理的な考え方です。

 ・

ダイニングで宿題をする子供たちの姿を見ながら、
そしてリビングで遊ぶ子供たちの姿を見ながら
キッチンで食事の準備や後片付けが出来るし、
リビングに取り込んだ洗濯物をたたむことが出来るからです。

 ・

要するに「ながら作業」がしやすい間取りなのですが、
家事に育児に仕事に忙しい奥さんが
少しでも自分の時間をつくるためには
この合理性は必要不可欠ですよね。

 ・

そんなわけで、シンプルノート京田辺・城陽スタジオでも
このリビングダイニングキッチン(LDK)を
生活の中心とした間取りづくりをしているのですが、
このLDKにまつわることで2つ推奨していないことがあります。

 ・

✔️広くし過ぎない

ここでほとんどの時間を過ごすのだから
出来るだけ広くしたいと多くの方がおっしゃるし、
そのお気持ちは凄くよく分かります。

 ・

しかし、この空間とて
他のスペース同様に広げれば広げるほど
コストに跳ね返っていきます。

 ・

しかも、面積がアップする比率が高いため
その分コストの上がり幅も大きくなり、
他の場所で相殺しようとしても
とてもじゃないけど追いつかない
ということになりかねません。

 ・

また、リビングダイニングを広げた場合、
どこに余白が出来るのかというと
ダイニングとリビングの間です。
つまりダイニングテーブルとソファーの間に
スペースが出来るというわけですね。

 ・

そしてこの結果、
子供たちがこの余白に色んなものを
置き散らかしていくことになります。

 ・

いつも使うものを
いちいち自分の部屋に片付けるのって面倒臭いし、
ましてや自分の部屋が2階だとしたら
なおのこと置きっぱなしにしちゃいますよね。

 ・

以上の理由から、闇雲に広げるのではなく
ちょうどいい広さでつくるのが
一番良いと思っています。
LDKは16帖という広さが
最もちょうどいい広さではないでしょうか。

 ・

人は余白があると埋めたくなるという
性質を備え持っているため、
仮にLDKを広げ過ぎたせいで
1階に充分な収納が取れなかった場合、
せっかくの広々リビングの周辺に
チェストや収納家具を置いていってしまい、
そのせいで部屋が狭く感じることになってしまう…
なんてことになりがちです。

 ・

要するに、更なる出費をすることによって
空間を狭くしようとするという
非合理的な行動をするというわけですね。

 ・

✔️家事室ってホントに必要?

そしてもう1つ、
コストを上げる原因となるため
つくらなくていいかなと思っているスペースが
「家事室」です。

 ・

せっかく子供たちの様子が見えるところで
家事をすることが出来る間取りになっているのに、
わざわざ分離した部屋で家事をこなす
必要なんてないと思いません?

・ 

確かにリビングダイニングを
いつもキレイに保ちたいとか、
出来るだけ生活感を出したくない
という気持ちはよく分かります。
また、家事動線をさらに短縮し、
より合理的に家事をこなしたい
という気持ちもよく分かります。

 ・

しかし、仮にこのスペースを3帖でつくったとしたら、
それだけで家の価格が100万円ほど高くなってしまいます。
また、このスペースで快適に家事をするために
この部屋にも冷暖房を設置するとなれば、
さらに出費が増えることになります。

 ・

なので、これから家を建てる方は、
「コスト」という観点にも目を向け
不用意に面積が広がらないように意識しながら
家づくりをしていただければと思います。

 ・

現在は、以前に比べて家の価格が高くなっているし、
今後さらに価格が上がることも充分考えられますしね。