vol.197 廊下が低下させる2つの機能?

シンプルノート京田辺・城陽スタジオでは、
出来るだけ「廊下」をつくらないようにしながら
家を建てるべきだと考えています。

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ただ通るだけの機能しか持たない廊下と言えど、
つくるためには部屋や収納と
同じだけのコストがかかるからです。
さらに、廊下はこれからお伝えする
2つの大切な機能を低下させる原因にもつながるからです。

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では廊下が低下させる2つの機能とは何か?

まず1つ目が「断熱性と気密性」です。
といっても廊下があるからこれらの機能が低下する
という意味合いではなく、
廊下があることによってその本質的な良さを殺してしまう
という意味合いです。

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高断熱化する意味は、
外の空気の影響を受けにくくすること。
つまり、昔の家みたいに「家の外と中の気温(室温)が一緒!」
という状況をなくすためです。

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そして、高気密化する意味は、
中の空気を外に逃さないようにすること。
つまり、昔の家みたいに「エアコン本当に効いてる?」
というような状況をなくすためですね。

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この2つの相乗効果によって
家の中全体に空気が行き届きやすくし、
どこにいてもそれほど温度差がない住まいをつくる上げる
という感じなのですが、
この素晴らしい機能を殺してしまうのが実は「廊下」です。

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というのも、廊下へと通じるドアは
締め切ってしまいやすく、
そこで空気の流れを断ち切ってしまいます。
たとえ、ドアの下から多少は空気が
流れるようになっているとはいえ、です。

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また、廊下と同じような役割を果たすのが「階段」です。
リビング階段が主流となった現在は、
冷暖房の効果が及びにくい2階の廊下から
冷やりとした空気が階段を通じて流れてきますからね。

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そんなわけで廊下もなくした方がいいし、
できるなら、階段もなくしたほうがいいと考えています。
つまり、階段と廊下が必ずといっていいほどセットで出来る
『2階建て』ではなく『平屋』にした方がいいということですね。

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そうすればコストも安くなるし、
体積も小さくなり冷暖房効果がもっと良くなりますしね。

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✔️みんなが大好きなアイデア

そして、廊下によって低下するもう1つの機能が「収納力」です。
つまり、収納を通り抜けたいがために
収納の中に通路をつくってしまうことがよくないということですね。

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例えば、3帖のウォークインクローゼットは
縦が2.6mで横が1.69mなので、
ここには棚1段あたり約5.5m分の物を置くことが出来るのですが
このクローゼットを通り抜けるようにした瞬間、
実は置ける物の量が半分まで低下してしまいます。
3帖のうち1.5帖は通路として確保しないといけないからです。

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結果、収納をたくさんつくったはずなのに、
いざ荷物を置いてみると、思っていた以上に置けなかった・・
という状況が待っているというわけですね。

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その上、ドアも1つ余分に必要になるし
スイッチも1つ余分に必要になるので、
その分コストが上がっていますしね。

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いかがでしたか?
たった廊下1つの考えだけで、
家の機能性もコストもずいぶんと変わるということが
お分かりいただけたのではないでしょうか。

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ということで、
「なんとなく2階建てにすること」と
「闇雲に通り抜け動線をつくること」
この2つには注意しながら
家づくりをしていただけたらと思います。