vol.162 住宅の現状と予算計画?

建築価格が急上昇した現在、
これから家を建てる人が心がけておくべきことは
これまでの価格を基準に考えないこと、
そして、同じ予算で建てるためには、
家のサイズを抑えなければいけないということ、
ではないでしょうか。

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例えば、年収400万円の夫と年収200万円の妻の、
世帯年収600万円共働き世帯が家を建てる場合、
どのように考えたほうがいいのか。

まず、この世帯の手取り収入を
毎月に換算するとざっと36万円ぐらいになるのですが、
このうち奥さんの収入は
出来るだけ多く「貯金」していくべきだと考えています。

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子供たちの教育資金、
家の維持管理費用、やがて必要となる増改築資金、
老後資金の積立など、
これから先に向けて準備しておくべき費用が
たくさんあるからです。

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そんなわけで、
個人的には、ご主人の給料の範囲内で
実現出来る家づくりを行うことが
ベストであると考えています。

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具体的には、毎月の返済額は
手取り金額の3分の1以内、
つまり、手取りが24万円だとしたら
どう頑張っても8万円が限界ではないでしょうか。

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︎8万円の返済で出来る家づくり

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では、毎月の返済額8万円では、
どのような家づくりが出来るのでしょうか?
頭金もなくて、固定金利という選択肢が
もっとも現実的な場合で考えていってみましょう。

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この場合、銀行から借りられる金額は、
2850万円前後となります。
それゆえ、この予算の中で、
土地を買い、家を建て、外構工事をし、
諸経費を払わなければならないのですが、
冒頭でお伝えしたように、
家だけで2000万円を超えるのが
当たり前となりつつある今、
土地を買い、家を建てるのは、
なかなか現実的なことではありません。

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外構工事と諸経費を合わせると、
ざっと300万円〜400万円ほど
かかりますしね。

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そんなわけで、
仮にあなたやあなたの配偶者の実家に
土地があるとするならば、
有難くそれを使わせてもらうことを
まずは検討すべきだというのが個人的な考え方です。

とはいえ、どうしてもそれは嫌だ
という方もいるでしょうし、
そもそも、そんな土地がないため
絶対に買わないといけないという方もいるでしょう。

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では、そんな方はどうすべきなのか?
この場合、考えるべきことは、
まず家をコンパクトにすることです。
かつ、住むエリアにこだわらないこと、
そして、土地の形や広さ、道路の向きにも
こだわらないことです。

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さらに、それでも家の予算はオーバーすると思うので、
車にかけるお金も圧縮すべきだし、
これにプラスして収入を上げる方法を
夫婦で話し合って具体的に考えるべきだと思います。

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奥さんの収入を増やす方が現実的だとしたら、
家事や育児の分担を変えるべきだし、
ご主人の収入を増やす方が現実的だとしたら、
負荷をかけてもっと働くといった感じで。

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もちろん、これから先に備えた貯金を削り、
その資金を家づくりに充てれば
こんなことをしなくても、
買いたい場所で土地を買い、
建てたい家を我慢することなく
建てることも出来るでしょう。

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しかし個人的には、
それは懸命な選択だとは思いません。
必ず、後からなんらかの皺寄せがやってくるし、
貯金がなければ心にゆとりが全く持てなくなるからです。

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なので、これらのことを全て踏まえた上で、
家づくりの予算を計画してもらえたらと思います。