vol.144 通り抜け動線の利点と難点?

家づくりをするほとんどの方が、
玄関脇に大なり小なりの
土間収納(シューズクローゼット)をつくりますが、
そうするとやりたくなるのが、
土間収納から玄関ホールへと
通り抜ける動線づくりです。

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家族が靴を脱ぎ履きする場所を
玄関と別にすることによって、
玄関をいつもスッキリさせておくためです。

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しかし、一見便利そうに感じるこのアイデアも、
実は2つのイライラをつくりだす
原因になってしまうかもしれません。

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まず1つ目が、
「靴を脱ぎ履きする場所が狭過ぎて
朝の混雑時にイライラする問題」です。

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つまり、せっかく家を建てたのに、
結局アパートで暮らしていた時と
何ら状況が変わらないということですね。

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土間収納には棚がある分、
どうしてもホールに上がる幅が
狭くなってしまいますからね。

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ましてや、この土間収納に
冬のアウターを吊っているとしたら、
その袖のかさばりのせいで家族玄関が圧迫され、
なおのこと狭々しく感じるんじゃないでしょうか。

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また、子供たちが中学生になれば、
雨の日はカッパを着て
自転車で学校に行くことも多いかと思いますが、
そんな狭いスペースで
カッパを着たり脱いだりするのは、
きっと子供たちにとっても
ストレスになるでしょうしね。

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そして2つ目が、
「思ったより荷物が置けない」
というイライラです。

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というのも、
通り抜けしなければいけないということは、
イコールそこに全く荷物が置けないからです。
つまり通路を確保しなければいけない分、
必然的に収納量が減ってしまうというわけですね。

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そして、やがて家族の成長とともに
荷物はどんどん増えていくのですが、
そうなると、とてもじゃないけど
その棚だけでは荷物が収まらなくなり、
いつの間にか来客用玄関で
靴の脱ぎ履きをするようになり、
家族用玄関はスッカリ物置と化し、
通り抜け出来なくなる…
というわけです。

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「通り抜け動線」は金食い虫

そんなこんなで、
個人的には通り抜け動線には、
同意しかねている次第です。

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理由は、先程もご説明したように
壁がなくなり通路が出来ることによって
収納が減ってしまうからです。

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だとしたら、
収納量が変わらないのであれば
通り抜けをやめて収納スペースを減らした方が、
床面積が小さくなり、
その分家のコストが安くなるので、
そっちの方が俄然良いと思っています。

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通り抜けられず回り込んだとしても、
わずか数歩の差ですしね。

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もちろん、あくまでこれは1つの意見であり、
これが絶対に正しいわけでもありません。

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しかし、分かっておいてもらいたいことは、
通り抜け動線は動線が短くなるというメリットがある反面、
収納が減ってしまうというデメリットがあるということです。

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なので、ご自身の荷物量と
実際の暮らしを想像してみた上で、
そうするかしないかを
考えてみていただければと思います。