vol.136 正しい図面の見方?

「家族が増えて手狭になった・・」
「今の状態では部屋が足りない・・」
「収納からモノがはみ出している・・」

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多くの方にとってこれらは
家を建てるきっかけとなる大きな理由だし、
さらに家族の人数が増える可能性があるとしたら、
リスクヘッジのために
少しでも家を広くつくろうとしてしまいます。

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しかし、家が大きくなればその分価格が高くなるので、
ローンにその負担がのしかかってくることになります。

なので、そうならないために、
少しでもコンパクトにする方法を
知っておいた方がいいと思います。

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もちろん、何でもかんでも
削ったらいいわけではないので、
いるモノはしっかりつくり、
逆にいらないモノだけを省くことによってです。

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例えば、廊下をなくすとか、
使用頻度が少なそうな部屋をつくらないとか、
部屋の広さを必要最小限にする、
といった工夫ですね。

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収納も例外ではない!?

そしてこの見直しは、
収納すら決して例外ではありません。
収納をたくさんつくれば、
それだけで収納不足が解消されるわけじゃないし、
床面積が増えれば、
コストアップにつながるだけですからね。

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この3つの図は全て
2帖でつくった納戸ですが、
ご覧いただければ分かるように、
棚のつくり方やドアの位置によって
収納出来る分量が大きく異なります。

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では1つ1つ説明していきますね。

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まずAの収納ですが、
1方向だけしか棚をつくっていないため、
幅1.69mの棚板を何枚つけるのかによって、
収納量が違ってきます。

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仮に棚板が2枚であれば
使える段数は3段になるので、
1.69m×3枚=5.07m分
棚があるということになるのに対し、
棚を5枚にしたら使える段数が6段になるので、
1.69m×6枚=10.14mになるといった感じです。

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では続いてBの収納です。
Aにもう1方向棚板を増やした場合ですね。
この場合、棚板の奥行きを30cmと仮定すると、
1.69m-30cm=1.39mの棚を
クロスして設置することが出来ます。

結果、クロス方向にも6枚棚板がつくため、
1.39m×6枚=8.34m分、
先程の場合より棚が増えることになります。

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Cの場合はどうでしょうか?
Cは収納への入り口を
少し真ん中にずらした場合です。

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となると、反対方向にも
棚板を設置することが出来るので、
さらに1.39m×6枚=8.34m分、
棚が増えることになり、
Aの場合とは比べ物にならないぐらい
モノが置けるようになります。

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このように一口に2帖の納戸と言っても、
そのつくり方によって
収納量に雲泥の差が生まれるのが
収納の知られざる真実です。

まー、収納量は「床」の広さではなく
「壁」の多さで決まるということですね。

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まー、言われてみたら「あっ、そっか!」
という感じだと思いますが、
図面の見方を知らないと
どうしてもこれに気付けないんですよね。

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というわけで、
不用意に面積を増やさなくても、
簡単に収納量を増やすことは出来るので、
この事実をあらかじめ知った上で、
家づくりをしていただければと思います。