vol.135 家事動線を気にしなくていい家とは?

間取りを考える上で
「家事動線の良さ」はとっても重要なことですが、
この問題はある固定概念に縛られていたままだと、
どれだけ考えてもスッキリ解決出来ません。

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例えば、洗濯機が1階にあるのに
干し場が2階だとしたら
これはスムーズな動線だとは言えません。

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水気を含んだ重い洗濯物を持って
階段を上るのはしんどいし、
ましてや何回にも分けて
持ち運びしなければいけないとしたら、
それだけで結構な労力となるからです。

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そこで、この労力を少しでもカットするために
キッチンか脱衣室に勝手口をつくり、
そこから出たところに干し場をつくるというアイデアを
多くの家が採用しているのですが、
これはこれで洗濯物の取り込みが大変だ
という壁にぶち当たります。
勝手口を通じてリビングと外を
何回も行き来しないといけないからです。

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その上、勝手口から外に出て干すとなると
お隣さんやご近所さんと
鉢合わせすることが多くなるため、
さすがにパジャマやノーメイクといった
油断した状態では出にくいですしね。

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そんなこんなで、
これも完璧な解決策とはならないというわけです。

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では、2階に洗濯機を置くという
アイデアはどうでしょうか?
つまり面倒な階段の行き来をなくせる上、
干し場は近いし、片付けるのも近いし、
かつ人目も気になりにくいというアイデアです。

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この場合、洗濯機とともに
お風呂場も2階になると思いますが、
リビングダイニングキッチンと水回りが離れるのが
不便かどうかが争点となります。

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あと、衣類をどこに収納するのかも
よく考えないといけませんよね。
いつも使うものやいつも着るものは、
リビングの近くにないと不便だし、
この不便さの積み重ねこそが、
結果的にリビングの散らかりにつながりますからね。

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じゃあそれを解決するために、
水回りとともにリビングダイニングキッチンも
2階に上げてみましょう。
かつ2階に衣類収納もつくってみましょう。

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となると、ずいぶんと生活しやすくなりそうですが、
この場合の問題点は歳をとってからですね。
足腰が悪くなってしまったら
階段が苦痛になりますからね。

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もちろん、土地面積や立地上
そうせざるを得ない場合は、
そんなことも言っていられないですが、
もし敷地にゆとりがあるとしたら、
これもあまり現実的な解決策じゃなさそうですよね。

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ある前提をなくしてみるだけ

と、ここまで、
家事動線が良くなりそうな解決策を
いくつか考えてみたんですが、
これらにはある前提条件があることに
お気づきいただけたでしょうか?

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そうです!
どれも家が2階建てであることが
前提条件なんですよね。

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つまり2階建てである以上、
どんなに工夫してもどこかしら
家事動線に問題が発生するというわけですね。

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では平屋だと家事動線の問題は
完璧に解決するのでしょうか?

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まず平屋の場合、
洗濯機も干し場も取り込み場所も衣類の収納場所も
全て同じフロアになるので、
その移動はかなり楽になります。

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しかし、干し場が勝手口から出た場所だとしたら、
先程と同様に取り込む作業には手間がかかるし、
お隣さんやご近所さんと鉢合わせしてしまいます。

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それゆえお隣さんやご近所さんから
見えない場所に干し場をつくるためには
どうしたらいいかを考えなければいけません。

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しかし、逆に言うとこれさえ出来れば
実は家を建てる時、
家事動線なんて一切気にする必要がなくなるのが「平屋」です。

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ということで、
「家事動線がいい家にしたい」とお考えであれば、
「プライバシーが担保された平屋」がベストである
ということを覚えておいてくださいね!