vol.128 家づくりと資産形成の両立?

いま巷では資産形成が必要だと言われていますが、
その理由は、大きく分けると以下の2つに集約されています。

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まず1つ目の理由が、
勤労収入が減る一方で私たちの負担は増えていること。
そしてもう1つの理由が、
銀行に預金していても全くお金が増えないことです。

そんなわけで、
これから家を建てる方はもちろん、
誰もがコツコツと資産形成をしていく
必要があるというわけですね。
「銀行への預金」ではなく
「積立投資」という手段を使って、です。

では今回は、この2つの理由について
もう少し深くお伝えした上で、
具体的にどうすべきかについて
考えていきたいと思います!

可処分所得が減っているという現実

資本主義国家であるにもかかわらず、
残念ながら日本はアメリカのように
右肩上がりで経済が成長しておらず、
結果、給料が全くと言っていいほど上がっていません。

実際、国税庁が発表している
「民間給与実態統計調査書」によると、
サラリーマンの平均給与は、
1997年の467万円をピークに下降の一途をたどり、
2018年では441万円になり、
2022年では、433万円になっています。

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一方で財務省が発表した国民負担率は、
(税金、年金、健康保険などの社会保険料の負担の割合)
平成3年が48.0%と過去最高となっています。。。

その上、消費税も10%に増税されたため、
社会保険に加えて日々の生活の負担も
確実に重くなってきていますしね。

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このように、
家計の収支バランスは年々悪化していっており、
可処分所得(自分たちが自由に使えるお金)が
どんどん減っていっているという状況が現在の日本です。

どん底状態に沈んだ金利

そして、経済が成長していないことで
引き起こっていることが銀行の預金金利の低下です。
おそらく銀行にお金を預けていても
全く増えないことは周知の事実かと思いますが、
その数値たるや絶望的な状況です。

具体的な話をすれば、
リーマンショック前の2007年12月の
定期預金金利は0.4%、
普通預金金利は0.198% だったのに対し、
現在の定期預金金利は0.002%、
普通預金金利は0.001%となっており、
現在、銀行に1000万円貯金したとしても、
金利が高い方の定期預金でさえ、
年間でわずか200円しかお金が増えない
(そこから税金が引かれるので実際は160円)
という状況ですね。

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しかし、分かっていながらその手段を選択しているのは、
「貯蓄=銀行」という選択肢しか知らないから,
あるいは「増えないけど減りもしないからいいや」
というマインドではないでしょうか?

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預金一択では資金がもたない

そんなこんなで、私たちは生活していくために
共働きをし続けるという選択肢を取るしかないわけですが、
この考え方には、仮に健康や介護などを理由に
どちらか一方が労働から離脱するようなことになれば、
その状況は一変してしまうという脆弱性が潜んでいます。

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それゆえ、銀行への預金一択ではなく、
保険というリスクヘッジもうまく使いつつ、
同時に「積立投資」をしていくべきだというのが
個人的な意見です。

そして「積立投資」をするにあたり
その手段として選ぶべきことが2つ。
1つは「個人型確定拠出年金iDeCo」です。
奥さんも扶養の範囲をはみ出して働いているとしたら、
夫婦そろって加入していただくといいと思います。

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理由は、積立によって年金の上乗せ分が貯まっていくため、
間違いなく老後資金の足しになること、
そして、積立資金が全額所得控除の対象になることです。
つまり、年末調整で返ってくるお金が増えるということですね。 

もう1つは「つみたてNISA」です。
これには問答無用で加入すべだと思っています。
出来れば毎月33,333円ずつ、です。
理由は、ドルコスト平均法による積立投資は、
年度によるものの毎年平均8%ずつお金が増えていっており、
その結果「つみたてNISA」が満期になる20年後には
預けたお金が2倍〜3倍ほどになっている可能性が高いからです。
つまり、20年間で満額800万円を預けることが出来れば、
その資金が1600万円〜2400万円に
なるかもしれないというわけですね。

そう考えると、銀行預金並みに全くお金が増えない
「学資保険」にお金を預けることも馬鹿らしいと思いませんか?
奨学金というローンを子供たちに背負わせる
必要だってなくなるかもしれないですしね。

いかがですか?

結論を申し上げると、
まずは可能な限り夫婦そろって働き続けること。
そして、その上で先程お伝えした
2つの積立投資を夫婦そろってやり続けること。
この2つがこれからの時代には
必要不可欠だというのが個人的な意見です。

そして、これを実現するために、
無駄な保険は見直すべきだし、
保険以外の固定費も可能な限り抑えるべきです。
車や家にかけるお金ですね。

というわけで、車も家も
豊かな暮らしには欠かせない大切なものですが、
その費用の掛け方までよく考えた上で、
買い物をしなければいけないということもまた
覚えておいていただければと思います。