vol.163 数とコストと管理のしやすさと?

「明るくて開放的で風通しの良い家にしたい」と思う気持ちから
ついつい窓の数が多くなってしまうのですが、
窓が多くなれば、耐震性も悪くなるし、
断熱性も悪くなるし、掃除場所も増えるし、
外壁も汚れやすくなるし、戸締りの心配も増えます。

 ・

ゆえ、窓のつくり過ぎで後から後悔しないために、
今回は、窓をつくり過ぎた人が
どんな風に暮らしているのかをお伝えしたいと思います。

 ・

多くの方が家を建てる前は
賃貸アパートかマンションに住まれていると思いますが、
これらの住まいにはそもそも窓がそれほどありません。

 ・

おそらくベランダに出られる窓が1つか2つと、
玄関脇の共用部分に面した窓が1つの、
計2つか3つといったところでしょうか。
ゆえ、賃貸住宅では窓の管理が大変ではありません。

 ・

一方で、家を建てると窓の数が一気に増えます。
賃貸では2方向しか窓がなかったのに対し、
東西南北4方向全てに窓が出来るし、
かつ、それが1・2階両方となるからです。

 ・

また、防犯性や意匠性を考慮してか、
小さなデザイン窓をたくさん使うので
なおのこと窓の数が増えてしまいます。

 ・

そんなわけでこれまで2、3ヶ所だった窓が
一気に20ヶ所以上になってしまうのですが、
窓の数が増えると 
「あれっ?あの窓閉めたかしら?」
「あれっ?あの窓鍵かけたかしら?」
という心配事が増えることになります。

 ・

そして、いつしか窓を開けなくなっていきます。
開けると閉めたかどうかが気になるからです。
それどころか、開けない窓はカーテンも閉まったままになり、
光すら入ってこなくなっているかもしれません。

 ・

✔︎管理出来る範囲でつくる

この事実から言えることは、
窓は闇雲に増やすべきではないということです。
増えたら増えた分だけ管理が行き届かなくなり、
する必要のない心配事が増えるからです。

 ・

また、冒頭でもお伝えしたように、
確実に耐震性も悪くなるし、
確実に断熱性も悪くなるし、
確実に家も汚れやすくなるし、
確実に掃除の手間も増えるからです。

 ・

そして、窓が増えれば、
それに反比例するかのように収納も減ってしまいます。
窓が増えるということはイコール家の壁が減ることであり、
家の壁が減れば設置出来る棚の範囲が少なくなるからです。

 ・

結果、思っていたよりもモノが置けず収納の中に所狭しと、
ギュウギュウ詰めにモノを詰め込まざるを得なくなり、
どこに何があるのか分からなくなってしまいます。
つまり、収納までも
管理しにくくなってしまうというわけですね。

  ・

ということで、これから家を建てるあなたは、
この事実を教訓にしていただき、
明るさや開放感にこだわるあまり
窓をつくり過ぎないように注意しつつ
家づくりをしていただければと思います。