vol.132 南向きという固定概念?

家づくりをするにあたって、
リビングを含めた居室は
「出来るだけ日当たりを良くしたい」
とお考えになると思います。
そして、そうするために
誰もが日当たりが良い土地を買おうとします。

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しかし、現実は土地の日当たりの良さと
家の明るさや快適性には
大して相関関係がありません。

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いや、むしろ土地の日当たりの良さが
かえって家の快適性を損なう傾向が
あるのではないでしょうか?

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例えば、あなたが日当たりの良い
南向きの土地を買ったとしたら、
あなたは家を建てるにあたって
一体どのような希望を
住宅会社にお伝えになるでしょうか?

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おそらく大体の方が
出来るだけ全ての部屋を南向きにして欲しい
とお伝えになると思います。

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せっかく高いお金を出して
日当たりが良い土地を買ったわけですからね。
その恩恵を最大限に受けたいというのが
当たり前の感情だと思います。

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しかし、日当たりが良い土地は
そこに大きな落とし穴があります。

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暮らしている姿を想像していますか?

南向きの土地に
南向きの部屋をたくさんつくり
かつ大きな南向きの窓をつくった場合、
そこからはたくさんの光が入ると同時に
たくさんの視線も入ってくることになります。

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となると、その窓には視線を遮るための
カーテンが必需品となります。
そして、カーテンによって
光を遮断してしまうことになります。

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また、視線が気になるお家は
防犯的にも不安を抱えることになります。
外から見たら間取りも分かってしまうし、
夜になると、照明によってどこに居るのかまで
分かってしまうからです。

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となると、防犯強化のために
シャッターもつけざるを得なくなります。
シャッターをつけておけば、
台風の時に何か飛んできた時も
窓が割れるのを防止出来るので一石二鳥ですしね。

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そして、南から容赦なく差し込む
直射日光の眩しさや暑さを緩和するために、
カーテンどころかシャッターまで
閉めっぱなしにしてしまうことになります。

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さて、このお家は本当に明るくて
快適な住まいなのでしょうか?
ですよね。100%違いますよね。

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実に多くの方が
このジレンマの中で暮らしているのですが、
この原因は、確実に
「南向きに部屋をつくらなければいけない」
という思い込みです。

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確かに、寝ている時間以外の
全ての時間を過ごすことになるリビングは
日当たりがいい南向きで窓をつくるのが理想的です。

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しかし、明るさと快適性を担保するためには、
それに加えてプライバシーも
担保しなければいけません。

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逆に言うと、
プライバシーが担保されてない状態で
どれだけたくさん南向きの窓をつくっても
それは意味がないということです。

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なので、家づくりをする時には、
部屋の位置をどこにするのかまで指定しないように
気をつけていただければと思います。

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リビングを南向きにつくることは大切ですが、
リビングの配置は、
その土地の環境に合わせながら決めないと、
プライバシーと明るさ・快適性が両立した
リビングをつくることが出来ないので。

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そして、土地選びにおいても、
決して南向きだけにこだわらないように
していただければと思います。
南向きの土地は
価格も相対的に高く設定されていますしね。