東南角地の土地に建つ家です。
・
しかし、ご覧いただければ分かるように、
この家の正面である南側には、
上から下まで伸びたスリット窓しかありません。
せっかく日がよく当たる方角なのに、です・・・
・
でも、たったこれだけの窓しかないにも関わらず、
家の中は、驚くほど明るいです。
そして、その明るさは、
日の出から日の入りまでずっと安定的に続くため、
日中は電気をつける必要が一切ありません。
では、常識をくつがえすかのように、
南側に窓がたったこれだけしかないにも関わらず、
なぜ、そんなに家が明るいのか?
そして、なぜその明るさが安定的に一日中続くのか?
についての秘訣を、
今回はお伝えしていきたいと思います。
・
・
✔吹抜けからの採光を有効に利用しているから
冒頭の外観写真をご覧いただくと
お分かりいただけますが、
この縦に延びたスリット窓を設置してある場所は、
あえて少し凹ませています。
・
この理由は、太陽高度が高く、
ほぼ真上から射し込んでくる夏の直射日光を、
出来るだけ室内に入れないようにするためです。
夏の直射日光が室内に入り過ぎると、
家の中が暑くなってしまいますからね。
・
他方、夏よりも太陽高度が低くなる冬には、
この吹抜けの窓から
たくさんの光が射し込んでくるので、
リビングダイニングキッチンの
最北に位置する暗くてジメジメしてしまいがちなキッチンが、
朝から明るくて気持ちいい場所になります。
・
かつ、ダイニングにもたっぷりと
眩いばかりの光が射し込んでくるので、
清々しい気分で朝食を食べられますしね。
・
そして、このスリット窓部分を
凹ませている理由がもう1つ。
それは、太陽の光の採り込み方の工夫です。
・
このスリット窓は、
南面の一番東側に設置しているのですが、
これは、朝から昼にかけての午前は、
直射日光を出来るだけ家の中に入れるようにし、
日差しが厳しくなる夕方にかけての午後は、
直射日光ではなく、壁に反射した間接光を
家の中に採り込むようにしてあるからです。
・
この窓の位置1つをとってみても、
設置する場所を間違えてしまうと、
日差しが厳しく日焼けの原因となってしまう
西からの直射日光を家の中に
長時間採り込んでしまうことになるので、
窓の位置まで考えながら設計しているというわけです。
・
このように一日中、そして一年中、
安定して光を室内に採り込むことが出来れば、
後は、家の中の壁に反射した光が、
家全体に広がっていってくれます。
そして、家全体を優しく明るい光が
包んでくれることになります。
・
・
ということで、
常識とされている南に大きな窓を設置せずとも、
家の中は驚くほど明るくなる
という事実があることを、
ご理解いただければと思います。
・
・
知らず知らずの間に受け入れてしまっている
常識に捕われ過ぎることで、
住みにくい家をつくってしまい、
後悔しないように気を付けたいですね♪